青い、青い空。
どこまでも広がる空。
どこか、君に似ている気がした。
ぼーっと空を見上げてたら。
隣の景吾が声をかけてきた。
「おい、」
どこか苛立った感じの景吾。
「なにさ」
なんとなく、素っ気無く返してみた。
「なに見てんだよ」
そうして返ってきたのは、またまたイライラした感じの言葉。
短気だな、と思う。
同時に、なんで俺はこんな奴に惚れたんだろうと思う。
「ソラ」
それより俺は今、空に夢中で。
景吾より空を優先させて見ていたら、景吾の舌打ちが聞こえた。
「…………チッ」
「柄悪いよ、景吾お坊ちゃま」
「うるせぇよ」
ぐい、と引っ張られる俺の腕。
あっという間に俺は、景吾の腕の中。
「あはは、ヤキモチか?」
「あーん?何言ってんだよ」
そんなことを言うのはこの口か、と何かを企んだ笑顔で言われ。
唇を塞がれた。
「ん、」
ああ、なんでこんなに景吾は策士なんだろう。
そう思いながら、俺はキスの途中にも関わらず目を開けてみた。
すぐに目に入るのは、綺麗な景吾の顔。
綺麗だなーっと見ていると、視線に気づいたのか景吾が口付けたまま目を開けた。
「……キスは目を閉じるものだと、習わなかったのか?」
「生憎。そんなものは習った覚えは無いよ」
習う以前の問題。
俺は、景吾としかしたこと無いんだからさ。
しかもそんなこと、景吾は一度も言ってない。
「なら教えてやろうか?」
「結構。俺、今は空を見ておきたいから」
俺は景吾から逃げ出して。
窓の外を見上げた。
さすが、景吾の家というべきか。
庭が広すぎて、隣の家が見えない。
俺はそのことに感心しながらまた空を見上げる。
何度見ても飽きない。
「」
また景吾が俺を呼ぶ。
けれども今度は無視をした。
そしたら、背後から抱き締められる。
「空なんか見るな。俺を見ろ」
愛されてるなぁと思った。
なんだ、やっぱりヤキモチ、焼いてたんじゃん。
俺が空を見ていた理由、知らないくせに。
「は、俺だけを見てればいいんだよ」
うわ、すっげー殺し文句。
流石、俺様跡部様。
そして、心配性。
そんなに心配しなくても、俺は最初から景吾しか見てないよ。
俺はそう思いながら、景吾に抱きついてみた。
拗ねた景吾はどこか可愛い。
俺より大人びて、背も高いのに行動は子どもじみてる。
こんなときだけ、俺は素直になれそうな気がする。
だから、言えるんだ。
「好きだよ、景吾」
背伸びをして、珍しく、俺は自分からキスをした。
窓の外は青い空。
本日は快晴。
ほら、君の瞳みたいに空は青い。
だから俺はその青が見たいんだ。
一番見たいのは、景吾の青い瞳だけど。